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ウッドワークス一級建築士事務所 >> 木の家に暮らす
  断熱性能
 針葉樹の細胞には身近な材料としては最も熱を伝えにくい空気が含まれています。
 このため木材は熱を伝えにくく、断熱材に匹敵するほどの効果が期待できるのです。
 写真はアカマツの顕微鏡写真です。大きめで壁の薄い細胞は
 春から夏にかけて成長したもの(早材)で、小さめで壁の厚い細
 胞は、夏から秋にかけて成長したもの(晩材)です。
 それぞれの素材で比較するとコンクリートは杉の12倍鉄は483倍
 も熱を伝えやすく、熱の伝えやすさはそのまま触った時の冷たさ
 に関係します。人間は熱を奪われるとストレスを感じ、落ち着き
 がなくなる事が認められています(冷ストレス)。
 心地良い空間作りには、ただ暖房温度を考えるのではなく、肌に
 直接触れる素材選びが重要になります。
  蓄熱性能
 熱の伝えやすさでは分が悪かったコンクリートですが、蓄熱を考えた場合は逆に良い面もあります。
 蓄熱性能とは簡単に言えば「暖まりにくく、冷めにくい」という事です。逆に一度暖まってしまえば、
 暖房を切った後でも暖かいままです。夏はこの反対で、夜間の気温が低い時に外気を取り得れて家を
 冷やせば、日中まで冷えが持続します。このような効果は土塗壁にも同じ事が言えます。
 逆にグラスウールでは全く蓄熱しないので、期待出来ません。
 さて、木はというとコンクリート以上に優れた蓄熱性能をもっています。通常の住宅では木の使用量が
 少なく、グラスウールが多いのであまり効果を発揮しませんが、ログハウスなど、壁面などに木をたくさん
 使用している家ではこの効果が期待できます。
  調湿性能
 人間の快適さに影響する気候要素は、温度と風速、それと湿度です。温度、風速をいかに調節しても
 湿度が高ければ快適には感じません。木には多量の水分を保有できる細胞の集合体ですので、室内の
 湿気を吸収、放湿して室内湿度を一定に保つ事が出来ます。またダニやカビ類も一般的に温度、湿度が
 高い所で増殖します。昔から桐のタンスは着物を長期保存する最高手段とされてきました。これは軽くて
 熱を通しにくい桐の厚板が引き出し内部の温度変化を押さえ、同時に湿度を最適にして、常に着物を最良
 の温湿度状態にしておくからです。
  防火性能
 木材は空気をいっぱい含んでいるので、熱を伝えにくく、しかも酸素が供給される表面からゆっくり燃えて
 いきますから、急に強度が落ちる事はありません。鉄などは高温になると柔らかくなってしまいますので、
 熱が伝わらないように被覆して、火災時に急に強度が落ちるのを防止する必要があります。
 木材の表面が火災によって炭になって失われていく速度は1分間に0.7ミリ程度ですから、30分で失われ
 るのは約21ミリ。25ミリの厚みがあれば燃え抜けるまでの時間を稼げますので、その間に避難は可能で
 す。燃えしろを見込んで設計すれば火災に対しても安全な家を造る事ができます。
  木の安らぎ
 森の中に入ると、清々しい気分がします。これは木々から発散するフィトンチッドの効果です。
 フィトンチッドは植物が微生物の侵入を防ぐためにつくられると言われています。フィトンチッドの抗菌、
 消臭作用は環境を浄化する効果があります。寿司屋のショーケースに良く入っている杉や檜の葉はこの
 ような効果を利用しているのです。木から出るフィトンチッドは人間の健康に良い影響を及ぼします。
 また、木の表面に表れる木目の模様は、木の成長量が大きい時は年輪幅が大きくなり、成長量が小さい
 時は小さくなります。そのため年輪の幅は一定でなく、自然のリズムがあります。このリズムには「1/fの
 ゆらぎ」と呼ばれるゆらぎが存在し、このゆらぎが人間の感覚に作用して、心地良さをもたらすと言われ
 ています。機械的で均質なパターンでは無いからこそ、この効果があるのです。
  エコロジカル
 木材は他の建材と比較して、生産時のエネルギーが格段に低いのです。木の成長には太陽エネルギー
 しか必要でないからです。他の建材は化石燃料を燃やす事で生産されます。また他の建材は、その生産
 時に化石燃料を燃やす事で、大量の二酸化炭素が発生します。

 しかし、木材は生産時に二酸化炭素を吸収します。また伐採した後でも炭素を固定しつづけ、燃やさない
 限り炭素は二酸化炭素として外に出ません。仮に木を燃やしても、それはふりだしに戻っただけで、サイ
 クル全体で見れば二酸化炭素の増加ではありません。更に、燃やせば燃料としての利用もあります。
 
 参考文献
 「知っておきたい木の知識」 (財)日本木材総合技術センター
 「木材の基礎知識」 (財)日本木材総合技術センター
 「木の家に住む事を勉強する本」 泰文館
 「木づくりの常識非常識」 (株)学芸出版社
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